こんにちは、なおしー(@naoc2520) です!
12月4日からフジテレビ系列の「ユアタイム」「スポーツLIFE HERO'S」でプロ野球100人分の1位という企画が放送されています。
この企画は、プロ野球選手100人に8部門で各々が1番だと思う選手に投票してもらい、その結果を発表するものになっています。
つまり、同じフィールドでプレーするプロ野球選手が選ぶ各部門でのNo,1がわかるというプロ野球ファン大注目の企画なわけです。
ちなみにその8部門とは以下の通りです。
- スピードボール
- パワーヒッター
- 走塁
- 守備
- バットコントロール
- コントロール
- 変化球
- 強肩
今日はこの中から、2日目に発表されたパワーヒッター部門をセイバーメトリクスの指標を使って検証してみたいと思います。
パワーヒッター部門の結果をおさらい
放送内で発表された順位は以下の通りでした。
1位 筒香嘉智 ロッテ 32票
2位 大谷翔平 日本ハム 16票
3位 メヒア 西武 12票
パワーヒッターの特徴は IsoP に現れる
パワーヒッターと呼べるかは、本塁打を代表とした長打をどれだけ打てるかということだと思います。
そこで、セイバーメトリクスの指標の一つ IsoP を紹介します。
IsoPとは?
IsoP(ISO)(アイエスオーピー)はIsolated powerの略であり、野球において打者を評価する指標の1つ。長打率と打率の差である。
従来、長打力を測るために長打率が用いられてきたが、長打が少ない場合でも打率が高ければ長打率も高くなるため、純粋な長打力を測るには不備があった。例えば、100打数で単打100本の打者と本塁打25本の打者はどちらも長打率1.000となるが、長打力が同じとは言い難い。 そこで、より純粋に長打力を評価するために作られた指標がIsoP (ISO)である。シーズンを跨いでも安定しやすく、運に左右されにくい打者の能力として捉える事が出来る。
IsoPとは打率と長打率といったよく用いられるデータの差で求められるもので、長打率を改良して作られたようなものになっています。
詳しく式で表すと
IsoP=(二塁打+三塁打×2+本塁打×3)÷打数
となります。
この式を見ていただければ、IsoPは長打しかカウントしないことと単純にカウントするのではなく重みをつけてカウントしていることがわかると思います。
また、単打はカウントしていませんからいくら単打を打っても IsoPの数値は上がらないこともわかります。
2016シーズン IsoP ランキング
それでは実際に、2016シーズン規定打席到達者の IsoPトップ10を見てみましょう。
データはこちらのものを使わせていただきました。
1位は筒香選手が断トツの.358を記録し、選手投票と同じ結果でした。
しかし、2位以降は選手投票とかなりの違いがあります。
選手投票との相違について
まず、2位から4位ですがこれはセ・リーグの選手がランクインしています。
そこで全体的なIsoPを見てみるとセ・リーグの選手のほうが高めに出ているということがわかりました。
これはセ・リーグ球団のほうがHRが出やすい球場が多いこと、またIsoPの場合はHRが2BHの3倍の価値があることが理由だと考えられます。
実際にリーグ平均を出してみるとセ・リーグは.165、パ・リーグは.129と.036の大きな開きがあることがわかりました。
さらに選手投票で2位だった大谷翔平選手は規定打席に到達していないためランクインしていません。
参考として IsoP を計算すると .266 となりました。
上の検証結果を元に補正すると
ここからは本当に参考程度で見ていただきたいと思います。
大谷翔平選手をランクインさせ、さらにパ・リーグ選手に平均の差分.036を上乗せして表を作り直してみたいと思います。
結果はこのようになりました。
だいぶ投票結果に近くなりました!
しかし、こうなっても筒香選手が抜きん出ていることに変わりはないですね!
また、山田選手も補正前同様2位にランクインしています。
セ・リーグは圧倒的だった筒香選手に票が集中したため、山田選手が隠れてしまったものと思われます。
さいごに
いかがだったでしょうか?
勝手に補正してしまいましたがあまり一般性を失わない形で投票に近い結果が出たので正直驚いています。
IsoP を発明した方はすごいですねー!
他の指標について、バットコントロール部門とコントロール部門にも挑戦してみました。
セイバーメトリクスは野球のための統計学とも言われており IsoP 以外にも様々な指標が開発され、選手の評価に用いられています。
詳しくはこちらの書籍を参考にされるといいかもしれません!
勝てる野球の統計学――セイバーメトリクス (岩波科学ライブラリー)
- 作者: 鳥越規央,データスタジアム野球事業部
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