こんにちは、野球ブロガーのなおしー(@naoc2520) です。
さて、プロ野球開幕から1ヶ月が経ちました。
新人や新外国人など、今年の戦力もある程度わかるようになってきたところですね!
みなさんは4月のプロ野球をどのように観られていたでしょうか?
今日は4月のセ・リーグを簡単に振り返り、カープ好調の理由等を考えてみたいと思います。
セ・リーグ4月終了時点の順位表
まずはセ・リーグの4月終了時点での順位表を確認しておきましょう。
順位 | チーム | 勝 | 負 | 分 | 勝率 | ゲーム差 |
---|---|---|---|---|---|---|
1 | 広島 | 16 | 10 | 1 | 0.615 | - |
2 | 阪神 | 14 | 10 | 0 | 0.583 | 1 |
3 | 巨人 | 13 | 12 | 0 | 0.520 | 1.5 |
4 | DeNA | 11 | 12 | 2 | 0.478 | 1 |
5 | ヤクルト | 10 | 15 | 0 | 0.400 | 2 |
6 | 中日 | 9 | 14 | 3 | 0.391 | 0 |
首位は昨年セリーグ王者の広島東洋カープ。
以下阪神、巨人と続きます。
首位から最下位までは5.5ゲーム差で、それほど差は開いていません。
広島カープ好調の理由は?
それでは、ここからは4月首位だったカープの好調の理由を考えていきます。
実は4月の広島カープはかなり極端な試合を展開していることがわかりました。
4月のチーム成績を見ながら解説していきます。
投手成績はリーグ最下位!?
かなり極端な試合を展開しているということを書きましたが、その一番の理由が守備面での成績の悪さです。
4月のカープは順位は1位だったにも関わらず、守備の面ではどちらかというと悪い数字を残しています。
守備の総まとめといえる失点数ランキングを見てみます。
チーム | 失点数 |
---|---|
広島 | 100 |
DeNA | 100 |
中日 | 97 |
ヤクルト | 88 |
阪神 | 84 |
巨人 | 76 |
なんと、4月のカープはDeNAと並んで最多失点タイでした。
カープといえばこれまでは守備と走塁のチームというイメージでしたが、この1ヶ月はそうではなかったようです。
また、逆に打のチームという印象だった巨人が実は最小失点ということもわかりました。
4月の試合数は概ね25試合程度でしたからカープと巨人では1試合あたり1点ずつ多く取られているという計算になります。
ところで失点の原因としては投手力と守備力が関係してきますよね。
では、この失点数の多さは何が原因なのでしょうか?
ここでWHIPという指標を見てみたいと思います。
WHIPとはセイバーメトリクスの指標のひとつで、Walks plus Hits per Inning Pitchedの頭文字をとって名付けられました。
意味は英語の通り、「1イニングあたりの四球(walk)と安打(hit)の合計」を表しています。
WHIPを見ると「投手の実力に関わるところでどれだけランナーを出しているか」がわかります。
もちろん走者を出さない投手が優秀ですから、WHIPの数値が小さい方がいい投手ということになります。
といったところで、4月終了時点でのチーム別WHIPランキングをご覧ください。
チーム名 | WHIP |
---|---|
巨人 | 1.2 |
中日 | 1.2 |
ヤクルト | 1.23 |
DeNA | 1.29 |
阪神 | 1.33 |
広島 | 1.37 |
予想通り、カープ投手陣はこの数値でリーグ最下位でした。
失点が多い理由は、投手が走者を出しすぎていることにあるようです。
カープは守備がいいというイメージがありますが、投手がランナーを出していてはそれも生かすことができませんよね。
話は変わりますが、WHIPと失点を比べてみると、阪神投手陣がWHIPの数字は悪いのに失点は少ないという奇妙な結果を残していることがわかりました。
走者は出しているけど、失点はしていないということになります。
気になったので詳しく見てみると、阪神投手陣は被本塁打率と被長打率がリーグ最小ということがわかりました。
つまり、ヒットは打たれるけど長打はなかなか許さないということです。
長打がなければ一つ一つランナーを進めていくしか無いわけですから、失点する確率も低くなるということなのでしょう。
野球の場合はいくら塁を賑わせてもホームベースを踏まなければ得点にならないというところがミソですね。
首位を裏付ける異常な打撃成績
ここまではカープ投手陣の悪いところを書いてきました。
投手成績が良くないのに首位にいるということは、それ以上に打撃が好調というのはお察しのところだと思います。
ではどれだけカープの打撃陣は調子が良かったのか?
数字を見て答え合わせをしていきたいと思います。
まずはチーム別得点ランキングです。
チーム名 | 得点 |
---|---|
広島 | 131 |
DeNA | 95 |
巨人 | 88 |
阪神 | 87 |
中日 | 73 |
ヤクルト | 71 |
予想通り、カープがダントツのトップでした。
最下位のヤクルトには倍近い差をつけています。
25試合で考えると、1試合あたり約2.5点も多く取っていることになります。
2位のDeNAと比べても40点近い差をつけていて、1試合平均で約1.4点多く得点しています。
この結果を裏付けるデータとして4月のカープは
- チーム打率1位(.268)
- チーム出塁率1位(.337)
- チーム本塁打数1位(21本)
- チーム長打率1位(.384)
- チーム盗塁数1位(22個)
- チーム得点圏打率1位(.297)
だったことがわかりました。
チームごとの打撃成績の主要なものはほぼカープが1位になっています。
好調だからということもありますが、カープの野手起用は一貫しています。
具体的には上位打線(田中・菊池・丸・鈴木)は固定して、下位打線を投手の利き腕によって使い分けるという起用になっています。
右投手のときにはサードの安部が、左投手のときには右のエルドレッドが好成績を残しています。
試合展開の特徴としては序盤に負けている試合でも、終盤に打線が盛り返す展開も多くなっています。
4月の逆転勝利数は8試合を数えていて、勝ち試合の半分は逆転での勝利ということになります。
参考:広島、今季8度目の逆転勝ちで月間勝ち越し決める/カープ/デイリースポーツ online
セ・リーグ5月の展望
さいごに5月の展望を少し書きたいと思います。
上でわかったように、カープの首位は異常な打撃好調によるものです。
よく「打撃は水もの」などと言われるように、この好調が長く続くかはわかりません。
投手陣は良くないわけですから、一気に負けが込むことも考えられます。
逆転勝ちが多いということはそれだけ序盤に失点しているといえるので、先発投手陣の調整が必要でしょう。
一方で期待できそうなのは巨人です。
4月は3位でしたが、首位カープとはわずか2.5ゲーム差なのでまだまだわかりません。
上のランキングでも分かる通り、4月の巨人はリーグ最小失点でした。
13の勝ち星のうち11が先発投手についており、比較的安定した試合運びが出来ているといえます。
野手起用によって打撃が活性化すれば勝ち星を増やせるのではないでしょうか?
5月が終わると6月は交流戦です。
交流戦では勝敗による順位の動きが大きくなります。
5月をいい状態で終えて6月に入れるかがペナントレースを大きく左右すると思います。
パ・リーグの振り返りはコチラ