20代野球好きの生活界隈

【リアル野球盤】金属製バットと木製バットの違いについて

こんにちは、なおしー(@naoc2520) です!

 

お正月恒例の番組、とんねるずのスポーツ王は俺だ!!

今年も楽しませてもらいました。

 

実際の野球場にまるで野球盤のようなセットを組んで、とんねるず石橋貴明率いる石橋ジャパンとWBC日本代表侍ジャパンが対戦する名物企画です。

 

野球盤スプリットエース

 

例年、石橋チームには芸人や引退選手がいるのでいくつかのハンデが用意されています。

今年のハンデは

  1. ピッチングマシンで投げれる球種が、侍ジャパンは3球種で石橋ジャパンは5球種。また、最高球速も侍ジャパンは120km/hで石橋ジャパンは140km/h。
  2. プロ選手は木製バット、芸人と引退選手は金属製バットを使用

というものでした。

 

1つ目のハンデについては、野球未経験者でもわかりやすいと思います。

プロ野球選手はピッチャーの投げてくるボールをある程度予想して打席に立っています。

ですから、ピッチャーが投げる種類が増えるということはそれだけ投げてくる球の予想が難しくなるので、それだけヒットがでる確率も下がります。

また、最高球速が速くなるとそれだけ反応を早くしなくてはいけないのでこれについても打つのが難しくなります。

 

一方で2つ目のバットの違いについては、実際に打ってみないとわからないところがあります。

野球に詳しくない方であれば、金属と木があるということも知らなかったという方もいるかもしれません。

ということで、今日は金属製バットと木製バットの違いについて説明したいと思います。

 

ルールではどうなっている?

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今回のリアル野球盤では現役プロ選手は木製バット使用、それ以外は金属バット使用

となっています。

では、実際の野球のルールはどうなっているのかを確認しましょう。

1.10 バット

  • (a)バットはなめらかな円い棒であり、太さはその最も太い部分の直径が2.61インチ(6.6cm)以下、長さは42インチ(106.7cm)以下であることが必要である。バットは1本の木材で作られるべきである
    【付記】接合バットまたは試作中のバットは、製造業者がその製造の意図と方法とについて、規則委員会の承認を得るまで、プロフェッショナル野球(公式試合及び非公式試合)では使用できない。
    • 【注1】我が国のプロ野球では、金属製バット、木片の接合バット及び竹の接合バットは、コミッショナーの許可があるまで使用できない
    • 【注2】アマチュア野球では、各連盟が公認すれば、金属製バット、木片の接合バット及び竹の接合バットの使用を認める。ただし、接合バットについては、バット内部を加工したものは認めない。(6.06d参照)

野球規則│野球・ソフトボール│ミズノ

大手野球用品メーカーであるミズノの公式サイトから引用したものでですが、ここには付記の前に「バットは木材で作られるべきである」と記載されています。

これは野球の歴史上、もともとバットとして木材が使われており後から金属製のバットが登場したためです。

付記以下の注1のところにはプロ野球では金属製バットは使用できないことになっています。

 

一方で注2を見ると、アマチュア野球では金属バットを使うかどうかは各連盟の判断に任されています。

アマチュア野球では現在、金属バットが使えるのは高校野球までで、大学生以上(大学野球・社会人野球)では使う事ができません。

 

実際にはどのような違いがある?

では、ルールではなく実際に使った場合にどのような違いがあるのかを考えてみたいと思います。

こちらのサイトの内容を元に考えたいと思います。

美津和タイガー/野球博物館/バットの科学

 

反発係数の違い

バットによる打球の飛びやすさを計る指標として反発係数と言うものがと言うものがあります。

バット以外でも聞いたことがあると思いますが、物体が衝突した前後でその速さにどのような違いがあるのかを表す指標です。

反発力のいいバットというのは「反発係数」の高いバットのこと。最高反発係数を100と考えると、白木バットは30~35、金属バット(アルミ)では50~60となります。つまり、金属バットは、白木のものに比べて理論的には”反発力のいい”バットであることがわかります。

こちらのサイトによると、反発係数で考えて木製(白木)バットと金属製バットでは2倍の差があるということになります。

ここで注意したいのは反発係数が2倍だからと言って飛距離も2倍になるわけではありません。

反発ですからピッチャーの投げるボールの速さやバットのスイングスピードによっても異なります。

式で表すと下のようになるそうです。

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この式を使って実際に計算してみたところ、投球が144km/h(40m/s)でスイングスピードが153km/h(42.5m/s)だった場合は金属バットのほうが初速が1.47倍速いという結果になりました。

 

つまり、金属バットのほうがボールを反発しやすくその分打球が速くなり飛距離も伸びるというわけです。

 

芯の違い

もう一つの違いはバットの芯と呼ばれる部分の違いです。

バットはどの部分にボールが当たるかによって打球の飛び方が変わります。

よく野球解説の方が使う「詰まった」とか「引っ掛けた」という言い方はのことに対する表現です。

一番打球が飛ぶところを芯と呼んでいて、それより手元で当たった場合を「詰まった」逆に先の方で当たった場合を「引っ掛けた」と呼ぶのが一般的です。

 

この芯の部分について、先程と同じサイトに次のようなデータがありました。

これは横軸にバットの先端からバット上の点まで距離、縦軸にその点でボールを捉えた場合に握っている選手にかかる衝撃を表したグラフです。

縦方向に大きくなると選手にかかる衝撃が大きくなり、打球が飛ばなくなります。

逆に縦方向が小さくなると打球にスムーズに力が伝わるということです。

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金属バットは白点と実線、木製バットは黒点と破線で表されています。

注目してほしいのは20.0cm付近で衝撃反応力が小さくなっている白点と黒点の数です。

白点が3つと黒点が1つあるのがわかると思います。

これらの点は衝撃が小さい点、つまりバットの芯の位置を表しています。

これからわかるのは金属バットは芯が連続している(幅が広い)が、木製バットは芯が1点しか無い(幅が狭い)ということです。

 

つまり、金属バットのほうが芯が大きくてボールに力を伝えられる部分が大きいということです。

見かけ上は同じバットでもテニスのラケットとバドミントンのラケットのように当たる面積が狭いと思ってもらうといいかもしれません。

 

さいごに

いかがだったでしょうか?簡単にですが2つの視点で金属製バットと木製バットの違いを説明してみました。

実際に硬式ボールを打ち比べるとかなりの差があって、私自身も金属から木製に移るときはかなり苦労しました。

 

リアル野球盤でいうと、個人的には以前井口選手が出場したときに、勝手に金属バットに持ち替えてすぐさまホームラを打った場面がとても印象に残っています。

打った井口選手も「金属はやべー!!」と言っていました。