出典:http://www.sanspo.com/baseball/news/20170308/wbc17030804010017-n1.html
こんにちは、野球ブロガーのなおしー(@naoc2520) です。
2017年WBCの侍ジャパンは2連勝で最高のスタートを切りました。
今年に入ってからの強化試合・壮行試合では2勝3敗という結果だったので本戦がかなり心配されましたが、ここまでは予想以上の好ゲームを見せています。
ということで、今日はこの2戦について勝手に感想を書いていこうと思います。
流れを掴んだダブルプレー
#WBC #侍ジャパン #1次ラウンド 2連勝!#世界一奪還 へ次なる相手は #中国!1次ラウンド一位通過へ絶対に負けられない一戦は 10日(金)よる7時 #テレビ朝日 地上波生中継 【プレイバック動画】7日キューバ戦 #菊池涼介 スーパープレー!!!! pic.twitter.com/cal4Hftfdc
— テレビ朝日野球 (@tvasahibaseball) 2017年3月8日
僕が思うこの2試合のベストプレーはこのダブルプレーです。
状況は開幕戦の初回ノーアウト1.2塁。
内野安打とエラーでランナーを出すという最悪の滑り出しでした。
初回ということもあり、日本ベンチは失点もやむなしという考えだったと思います。
それがこのダブルプレーのおかげで初回は無失点で切り抜けられたわけです。
開幕ゲームの初回の守備をいいムードで終われたという意味でも非常に大きなプレーだったと思います。
打球のスピードはありますが、簡単な打球ではなくて菊池の捕球から送球までの速さが生んだプレーです。
かなり昔の記事で、僕が思う野球で「絶対にやってはいけない3つのこと」というのを紹介しました。
ダブルプレーはその中の一つです。
やってはいけないこと、ということは守備側からすると流れを引き戻すために狙っていきたいプレーということになります。
今回の2ゲームでは要所でその狙い通りにダブルプレーが取れていたように思います。
日本はこの2試合の守備で4つの併殺を取っています。
- キューバ戦の初回(動画のもの)。
- キューバ戦の7回、則本が打たれて大量失点になりかけたところ。
- オーストラリア戦の2回、ショートエラーで出塁を許したところ。
- オーストラリア戦の5回、1死満塁のピンチ。
の4つです。
2つ目は3連打のあと、3つ目は併殺の次の打者がホームランを打っている、4つ目は1死満塁と、どれも大量失点を阻止した大きなプレーでした。
そしてこの4つのうち3つがセカンド菊池からのゲッツーです。
セカンドは元々併殺に関わる回数が多いポジションではありますが、偶然多いということではないでしょう。
捕球の体勢や送球のスピードなど、菊池の併殺を取る能力の高さゆえだと思います。
菊池はバッティングも好調なんですが、ダブルプレーが捕れるということだけでも代表に呼ぶ価値のある選手だと思います。
逆に、侍ジャパンはこの2試合で攻撃時の併殺を一度も出していません。
流れよく得点できている理由はこういったところにあると思います。
併殺参加という指標
ここで、併殺に関する指標を一つ紹介したいと思います。
あまり知られていませんが、野球の指標の中に「併殺参加」と言うものがあります。
これは守備側の選手に付く数字で、併殺に関わった選手に付くものです。
例えばノーアウト1塁でショートゴロゲッツーの場合、送球はショートからセカンドへ送られて最後はファーストでゲッツー完成となります。
このときは、関わったショートとセカンドとファーストに参加1が付きます。
他の例だとショートが自分でセカンドベースを踏んでファーストに送球しゲッツーにした場合、これはセカンドは関わらないのでショートとファーストだけに参加1が付きます。
2016年併殺参加数ランキング
では突然ですが、2016年の併殺参加数ランキングベスト10を紹介したいと思います。
データはNPB公式から引っ張っています。
参考:2016年度 セントラル・リーグ 個人守備成績(規定以上) | NPB.jp 日本野球機構
選手 | 球団 | ポジション | 参加数 |
---|---|---|---|
中田翔 | 日本ハム | 一 | 115 |
浅村栄斗 | 西武 | 二 | 110 |
菊池涼介 | カープ | 二 | 102 |
中島卓也 | 日本ハム | 遊 | 100 |
田中広輔 | カープ | 遊 | 97 |
田中賢介 | 日本ハム | 二 | 95 |
坂本勇人 | 巨人 | 遊 | 91 |
鈴木大地 | ロッテ | 遊 | 84 |
新井貴浩 | 広島 | 一 | 82 |
ロペス | DeNA | 一 | 81 |
参加という指標の性質上関わった選手全員に記録されるので、同じチームの選手が多く記録される事になります。
おもしろいのはリーグ優勝した2チーム(カープ・日本ハム)の内野手が揃ってランクインしているということです。
併殺数と勝ちには関係があるのかもしれません。
一位は意外にも中田翔でした。
併殺のケース上さいごにファーストに送球されて完成することが多いので、ファーストの参加数が自然と増えるのは事実です。
しかしこれだけ多いということは捕球ミスが少なく、ファースト始まりのダブルプレー(3-6-3など)をしっかり取れているということだと思います。
実はキューバ戦の初回の場面でも坂本の送球が少しそれていて、中田が身を挺して捕球していたりします。
それから、2位の浅村も意外でした。
正直守備がうまいという印象はなく、守備率も高い選手では無いのですが併殺を取る能力は高いようです。
このプレーは菊池顔負けの捕球と送球を見せています。
浅村については「代表レベルだ」とか、「守備もいろいろできるので侍ジャパンに呼ぶべき」という声も聞かれます。
確かに攻守で見て現状選ばれているセカンド(山田・菊池)と比べると若干劣る程度だと思うので、もったいないなぁという気持ちもあります。
さいごに
併殺参加数を実際に調べてみるまでは菊池が断トツ1位だろうと思っていましたが、意外にも3位でした。
菊池の場合は併殺に限らず守備貢献度が高いので、僕の印象が強かっただけみたいですね。
守備貢献度についてはUZRなどを調べてみるといいと思います。
ダブルプレーについては併殺崩しのスライディングについてのルールが決まるなどの動きもあります。
ちなみに、予選敗退が決まった韓国は2試合で攻撃時の併殺を5つも記録しています。
3,4番が打てなかったということもありますが、これでは自分でチャンスを潰していたようなものですね。