こんにちは、ひとりレイトショーにハマっているなおしー(@naoc2520) です。
さて、2ヶ月前にサバイバルファミリーを見に行ったときに予告されていた映画「夜は短し歩けよ乙女」を公開日に見てきました!
森見登美彦の同名小説「夜は短し歩けよ乙女」のアニメーション映画化
この映画は2006年に発表された森見登美彦さんの小説「夜は短し歩けよ乙女」のアニメーション化作品です。
この小説は山本周五郎賞や2007年の本屋大賞2位にも選ばれ、100万部以上の売上を記録しているそうです。
恥ずかしながら僕はこの作品を含め、森見登美彦さんにはあまり詳しくないのですが本屋で平積みされている中村佑介さんのイラストが印象的な単行本を何度も目にかけたことはあります。
「夜は短し歩けよ乙女」の感想・ネタバレ
ここからは今作の個人的な感想を書いていきます。
ネタバレを含むと思いますので、気になるかたは注意してください。
あらすじ
所属クラブの後輩である「黒髪の乙女」に恋心を抱く大学生の「先輩」は、「なるべく彼女の目に留まる」ことを目的とした「ナカメ作戦」を実行する日々を送っていた。個性豊かな仲間が巻き起こす珍事件に巻き込まれながら季節はめぐっていくが、黒髪の乙女との関係は外堀を埋めるばかりでなかなか進展せず……。
主な登場人物は「先輩」と「黒髪の乙女」。
先輩の声を星野源が、黒髪の乙女の声を花澤香菜が演じています。
先輩は黒髪の乙女に思いを抱いているのですが、偶然に見せかけて道端で顔を合わせる「ナカメ作戦」で外堀を埋めることしか出来ません。
一方黒髪の乙女は好奇心旺盛で、様々な人と出会いながらどこまでも進んでいってしまいます。
先輩もそんな黒髪の乙女を追いかけていく中で、いろいろな出会いをしついには外堀を埋めるだけではダメだということに気づきます。
小説でも実写でもないアニメーションの良さ
原作を読んでいないのですが、おそらく原作の世界観を映像にするとこんな感じになるんだろうという作品でした。
その上でアニメーション化ということがとても効いています。
予告編でも例がいくつか見られます(お酒の飲み方など)が、実写だとくどくなりそうな誇張した表現をアニメ独特の柔らかさで中和しています。
お酒絵を飲むとあからさまに顔が赤くなるなど、わかりやすさもいいなと思いました。
主役の2人以外の登場人物も個性的で、特徴が強く描かれているのもアニメのいいところだと思います。
声優陣も声優のプロの方から俳優の方、お笑いの方などごちゃまぜですがみなさん作品にあっていました。
ロッチ(コカド・中岡)の声なんかはすぐにロッチとわかったんですが、作品にはしっかりハマっていました。
ロッチは本当にチョイ役なので聞き逃さないように。
終盤に先輩の脳内会議のような場面があります。
黒髪の乙女に思いを伝えるのか、先輩の理性や本能や羞恥や欲望などいろいろな感情が入り乱れ、先輩が核心に迫るシーンです。
ここでもアニメならではの色使いや表現で非常にわかりやすく、でもドロドロしない形でえがかれています。
原作との相違は?
前にも書いていますが、残念ながら僕は原作を読んでいません。
ですから、雑誌「ダ・ヴィンチ2017年5月号」の湯浅政明監督インタビューを参考にさせていただきたいと思います。
こちらに書かれている原作との違いは
- 原作の一年が一夜にまとめられている
- 学園祭事務局長の女装癖の伏線回収
- 原作では「ゲリラ演劇」だったのが「ミュージカル」に
- 詭弁踊りの動き
等が挙げられていました。
展開が早くておいていかれるかも
物語は大きく分けて4つの構成になっています。
勝手にタイトルを付けると
- はしご酒
- 古本市
- 学園祭
- 風邪
といった感じです。
原作ではそれぞれが季節に対応している(はしご酒から春・夏・秋・冬)そうですが、映画ではこの4つの季節が一夜の物語ということになっています。
もちろん4番目のパートがフィナーレになるわけですが、それぞれのパートごとに小フィナーレがあります。
おそらく原作の通りの構成なのだろうと思われますが、90分の映画では展開が早すぎるように思われました。
黒髪の乙女が好奇心旺盛なことを表すためかもしれませんが、学園祭のあたりで僕も少しだれてしまいました。
エンディングはアジカンの「荒野を歩け」
予告動画でもいい味を出しているアジカンことASIAN KUNG-FU GENERATION。
この曲は「荒野を歩け」というタイトルで夜は短し歩けよ乙女のために書き下ろされた作品です。
予告編ではいいかんじでマッチしていますが映画の方ではあくまでもEDのみの登場でした。
正直な感想を言うとこの映画の雰囲気とはあまりあっていないかなという印象です。
この曲自体は構成がアジカンらしくて僕は好きですが、この映画との親和性はあまり高くなかったですね。
来場者特典もいただきました
来場特典は、映画のラストシーンの後に先輩が黒髪の乙女に送った、「先輩」から「乙女」への手紙と題された7ページの小冊子です。
映画の続きをまた文章に返すなんて粋ですね。
ちなみに、先輩から乙女への手紙は公開初週の来場者特典だそうです。
2週目(4月15日(土)~)は違った特典になり、今度は「乙女」から「先輩」への手紙が特典になるとのこと。
ファンからすると2週連続で見に行くしか無いでしょうね。
さいごに
この作品はアニメーションですがストーリーは子供向けではないので、普段アニメを見ないという人でも楽しめると思います。
特に原作を読んだという人ならもっと楽しめる作品だと思います。
原作の世界観が映像になっているというところがの映画のひとつのウリなので。