こんにちは、なおしー(@naoc2520) です!
野球好きの私の愛読雑誌、週刊ベースボール。
以前の記事ではこの雑誌で連載されている野村克也の「本物の野球はどこへ行った!」を紹介させていただきました。
今日紹介したいのは、この連載記事とは別に1月23日号の週刊ベースボールに掲載されている野村克也×福本豊のスペシャル対談です。
なんとこの特集、計11ページ・2万字にも及ぶ大盛りの内容になって、週刊ベースボール史上最長の対談記事だそうです。
捕手野村克也と走者福本豊の関係から、両者の野球観までとても興味深いものでした。
野村×福本が生んだ日本野球のスタンダード
これはけっこう有名な話ですが、投手の「クイック投法」はこの2人の対決から生まれたものだと言われています。クイック投法とは、走者の盗塁を防ぐために投手が小さいモーションで投げることをいいます。今となっては投手の必須技術とも言われるクイック投法ですが、この2人が現役だった当時の福本対策にそのルーツがあるそうです。
福本さんといえば言わずと知れた世界の盗塁王、年間106盗塁と通算1065盗塁は未だに破られていない日本球界における盗塁記録の金字塔となっています。
この福本選手が大活躍していた当時、盗塁を許すのはすべて捕手の責任だと思われていたそうです。肩の強い捕手ほど盗塁がしにくく、肩の弱い捕手だと走り放題だといった具合に。
しかし、後に世界の盗塁王となる福本選手が基準にしていたのは捕手の肩の強さではなく投手の投げ方でした。
確かに盗塁というのは、投手が投げてからヨーイドン!ではなくいつスタートしてもいいわけです。
福本選手は「セットポジションに入ってから何秒でホームに投げるか」とか「首を何回動かすか」などで投手が動き出すタイミングの傾向を計っていました。
また、投手によってはセットポジションの姿勢などで牽制球をしてくるのかどうかもわかったそうです。
つまり、どんなにいい捕手が座っていても投手が無神経だったらいくらでも盗塁が出来たということです。
このことを知った当時の南海ホークス捕手の野村選手が考えたのがクイック投法です。
よく「外国人投手はクイックが出来ない」と言いますが、この経緯を踏まえて考えると当たり前ですね。
日本人対策のために日本で生まれた技術なのですから、言ってみればガラパゴス的なもので外国人が出来ないのは無理もありません。
ちなみにクイック投法のクイックは和製英語で、メジャーではslide step(スライドステップ)と言われています。
野村×福本の飽くなき戦い
この対談記事ではクイック投法に限らず、現役当時の野村さんと福本さんの様々な対決について書かれています。
基本的には天才福本豊を捕手野村克也がいかにして抑えたか(野村さんももちろん天才ですが)という視点で話が進んでいます。
1番福本を走らせないために9番の投手を敬遠したこともあるとか。それに対して投手がわざと三振したり盗塁死したりしたという話は真剣勝負だからこそのものだと思います。
野村さんといえばのささやき戦術についても書かれています。
どんなことをささやいていたのか、また福本選手に対してどんなささやきをしていたのかも語られています。
さいごに
発売中の雑誌のことなのであまり詳しいことはかけませんが、個人的にはとても読み応えのある対談でした!
いま書店に行けばまだ並んでいると思うので、あまり雑誌は読まないという野球ファンの方にも是非読んでいただきたいと思います。
ちなみに、このお2人の対談が一面のような書き方をしましたが、1月23日号の表紙はWBC2017の代表入りが決まった坂本勇人選手と秋山翔吾選手ですのでお間違えのないように。