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楽天、岸孝之の最優秀防御率獲得ため登録を抹消!他の選手に追い抜かれる可能性はないのか調べてみた。

こんにちは、野球ブロガーのなおしー(@naoc2520) です。

 

さて、2018年のプロ野球はシーズンも終盤に差し掛かり、球団の順位だけでなく選手のタイトル争いにも注目が集まってきました。

というところでこんなニュースが。

www.nikkansports.com

岸は今季23試合に登板し、4年ぶりの2桁勝利となる11勝4敗で、防御率はリーグトップの2・72。残りの試合には登板しない。 

楽天が岸孝之の自身初となる最優秀防御率のタイトル獲得のため登録を抹消し、今年の残り試合には登板させないそうです。

 

タイトル・最優秀防御率とは?

最優秀防御率というタイトルについて簡単に説明しましょう。

 

まず、防御率とは

 防御率 =(自責点×3× 9)÷(投球回×3) 

で求められる値で、1試合(9イニング)投げた場合に平均で自責点がいくつになるかを表すものです。

自責点が増えると防御率の値は大きくなり、投球回が増えると防御率の値は小さくなります。

防御率が低いほうが点を与えない優秀な投手となり、最優秀防御率とは最も防御率が低かった投手に与えられる賞です。

 

ただし最優秀防御率を獲得するためには一つだけ条件があり、ある程度の投球回を記録していないなければなりません。

これを規定投球回といい、2018年のシーズンでは「消化試合数×1.0回」が規定投球回となっています。

2018シーズンは全部で143試合ありますから、シーズンの規定投球回は143回です。

つまり、防御率が低くてもシーズンを通して143回以上投げた投手でないと最優秀防御率を獲得することはできません。

 

規定投球回に達している投手の成績(9月24日終了時点)

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まずは規定投球回に達している投手の成績を見ていきましょう。

9月24日終了時点のパ・リーグ防御率ランキング上位5選手です。

  選手 球団 自責点 イニング 防御率
1 岸 孝之 楽天 48 159 2.72
2 菊池 雄星 西武 55 156 2/3 3.16
3 上沢 直之 日ハム 57 158 1/3 3.24
4 マルティネス 日ハム 60 154 2/3 3.49
5 西 勇輝 オリ 63 155 1/3 3.65

いずれの投手もすでにシーズンの規定投球回をクリアしています。

1位の岸と2位の菊池雄星の差は単純に引き算をして0.44となっています。

 

2位以下の選手が自責点0で投げきった場合岸の防御率を上回れる?

自責点を記録せず投球回を増やせば防御率を下げていくことができます。

では2位以下の選手が自責点を記録せず投げていった場合、岸の防御率(2.72)を下回れるでしょうか?

下が投球回とそのイニングを自責0で抑えた場合の防御率の表になります。

投球回 菊池 上沢 マルティネス 西
20 2.80 2.88 3.09 3.23
21 2.79 2.86 3.07 3.22
22 2.77 2.84 3.06 3.20
23 2.76 2.83 3.04 3.18
24 2.74 2.81 3.02 3.16
25 2.72 2.80 3.01 3.14
26 2.71 2.78 2.99 3.13
27 2.70 2.77 2.97 3.11
28 2.68 2.75 2.96 3.09
29 2.67 2.74 2.94 3.08
30 2.65 2.72 2.92 3.06

 

ご覧の通り、可能性が残っていると言えるのは菊池雄星だけでしょう。

3位以下の3投手は30回を自責0で抑えても2.72を下回ることはできません。

ただし、菊池もおよそ3試合を完封しないといけません。

 

規定に達していない投手で岸の防御率を下回りそうな投手はいない?

次に見ておくのは、この先の試合を消化して規定投球回をクリアし、岸の防御率を下回りそうな投手がいないかということです。

9月24日終了時点のパ・リーグ投球回ランキングを、防御率と合わせて見てみましょう。

  選手名 球団 投球回 防御率
1 多和田 真三郎 西武 164 2/3 3.94
2 則本 昂大 楽天 163 1/3 4.02
3 岸 孝之 楽天 159 2.72
4 上沢 直之 日ハム 158 1/3 3.24
5 菊池 雄星 西武 156 2/3 3.16
6 西武 勇輝 オリ 155 1/3 3.65
7 マルティネス 日ハム 154 2/3 3.49
8 涌井 秀章 ロッテ 142 2/3 3.85
9 山岡 泰輔 オリ 135 4.20
10 千賀 滉大 SB 127 1/3 3.46
11 バンデンハーク SB 126 4.36
12 石川 柊太 SB 121 2/3 3.55
13 石川 歩 ロッテ 120 2/3 3.43
14 十亀 剣 西武 119 4.61
15 榎田 大樹 西武 118 2/3 3.49
16 ボルシンガー ロッテ 117 2/3 3.06
17 武田 翔太 SB 115 2/3 4.82
18 アルバース オリ 114 3.08
19 辛島 航 楽天 113 2/3 4.20
20 有原 航平 日ハム 110 2/3 4.55

8位の涌井投手以下はまだシーズンの規定投球回には達していません。

 

この中で防御率を見たときに、可能性がありそうなのはロッテのボルシンガーとオリックスのアルバースくらいです。

しかし、ボルシンガーは右肘の痛みで登録抹消されており、今シーズンは残り試合の登板を回避するとの報道もあります。*1

また、アルバースも防御率は良いですがチームの残り試合が8試合しかありませんから、この中で規定に達する29回以上を投げることは無いでしょう。

これから、規定未到達の投手には岸の防御率を下回れる投手はいないと言えます。

 

岸が仮にもう1試合登板した場合の防御率はどうなる?

岸が登録を抹消されたの9月24日です。

そのため、10月4日以降は一軍に再登録して登板することができます。

可能性としては無いでしょうが、もし岸が再登録されて登板した場合を考えてみます。

 

下の表は岸がもう1試合登板した場合の投球回と自責点から出る防御率です。

f:id:n2a5o2c0:20180925071146p:plain

防御率3.00を超えてしまう範囲を赤抜きにしています。

たとえもう1試合登板したとしても6回で自責点2くらいであれば現状維持というこがわかります。

6回で自責点3だとしても防御率は2.78ですから、これでも追い越される可能性は低いでしょう。

 

さいごに

以上、2018年楽天・岸孝之の最優秀防御率について調べてみました。

結果は、「登板しなければ菊池の3試合連続完封以外はほぼ間違いなくタイトル獲得」となるでしょう。

仮にもう1試合投げたとしても「QS達成すれば防御率は現状維持でタイトル獲得できる」と思われます。

 

打率・防御率のタイトルについては試合に出ると悪くなってしまう可能性があるのでシーズン終盤にはこういった話はつきものですよね。

セ・リーグでは山田哲人のトリプルスリーについても同じような話題が出ていました。

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